僕が日本を離れていた2008~2010年の2年半の間に一気にメジャーになったグルメは少なくありませんが、その代表例の一つとして「とんてき」があげられると思います。
とんてきとは、三重県四日市市のご当地グルメ。四日市とんてき協会のホームページに以下の通りあります。
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「とんてき」は、単なる豚のステーキではなく、 分厚い豚肉をにんにくと一緒に濃い目のたれでソテーし、たっぷりのキャベツの千切りをそえ、 調理法や味付けは、お店によって実に千差万別で、三重県四日市市に根ざしたご当地グルメである。
「四日市名物とんてき」とは・・・現在、チェーン店を含め、全国で「とんてき」「トンテキ」「豚テキ」という料理が出てきていますが、 四日市で一般的に食べられている「とんてき」と全く違う味のものもあります。「四日市名物とんてき」とは、豚のロースを使い、分厚く切った肉を、ニンニクとラードで焼きあげ、 ソース味のタレがかかっているものを言います。また、「こま焼き」「こま切れ」といったものも、「とんてき」の一部として考えられており、 細かく切ってあったり、肉質が違ったり、店によって違いますが、味が同じであれば、「とんてき」の一部といえます。
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このとんてき、本場四日市市の店は未方ですが、店名が「東京トンテキ」、「大阪トンテキ」の店にそれぞれ東京、大阪で最近訪ねることができました。
まずこちらが、東京渋谷にある「東京トンテキ」のトンテキ定食。
注文すると間もなく、熱々の鉄板の上に乗せられて登場。とんてきの定義を忠実に守り、分厚いロース肉をラードとガーリックで焼き上げ、濃厚ソースに絡め、そして千切りキャベツが添えられます。鉄板の上から立つソースの香りとじゅうじゅうという焼き音がなんとも食欲をそそるのでした。
期待を込めつつナイフで切り分け口に運ぶと、これが予想を上回る美味しさ。分厚いロース肉が驚くほどに柔らかくジューシー。豚肉の旨みが中に閉じ込められているので、噛むと口中で肉汁が出て、甘辛いソースとガーリックチップと絶妙に合います。
豚肉は熱を加えると凝固しますが、この店では、低い温度のラードでじっくり肉に火を通し固くなるのを防いでいるとのこと。こういう一手間が味をぐっと引き上げますね。
B級グルメとしては秀逸なレベルにあると思いました。
東京トンテキ (ステーキ / 渋谷駅、神泉駅)
昼総合点★★★★☆ 4.5
東京都渋谷区渋谷2-22-10 タキザワビル2F
各線渋谷駅徒歩3分
一方こちらが、大阪梅田「大阪トンテキ」のトンテキ定食。
こちらもとんてきの定義はしっかりと踏襲。その中で「東京トンテキ」との大きな違いは、ケチャップスパゲティが添えられていること、からしが皿のヘリに予め付けられていること、ガーリックがチップではなく塊であること、でしょうか。
この「大阪トンテキ」のとんてきも決して悪くはないのですが、先に「東京トンテキ」のものをいただいていると、残念ながら大分レベルが低いという印象でした。こちらの方がソースはややサラッとしていて食べやすいのですが、肉の柔らかさ、ジューシーさで完敗。少し固くなってしまっているのでした。演出的にも、「東京トンテキ」のように熱々の鉄板に乗って出される方がインパクトがあります。
「くいだおれ」の町なのだから、「大阪」と銘打つからにはもう少し頑張って欲しい!
大阪トンテキ (郷土料理 / 北新地駅、東梅田駅、西梅田駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.0
大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル B2F
JR北新地駅徒歩2分
大阪市営地下鉄東梅田駅徒歩5分
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